樹状細胞ワクチン療法

樹状細胞ワクチン療法とは?

樹状細胞ワクチン療法は、患者さまの体から取り出した細胞を樹状細胞に育て、がんの目印をつけ、再び体内に戻すことで、がんだけを攻撃させることができる治療法です。

まず、アフェレーシス(成分採血)にて患者さまの血液から、樹状細胞の元となる「単球」という細胞を取り出し、培養することで樹状細胞へと分化させ、更に患者さまから摘出したがん組織の一部やがん抗原(アミノ酸を組み合わせるなどして作ったがんの目印)を加えて培養を続けることで、患者さまオリジナルの樹状細胞ワクチンが完成します。このワクチンを投与すると、樹状細胞がリンパ節へ移動してがんの情報をTリンパ球に伝達し、そして体内で活性化増殖を始めたTリンパ球が、がんを攻撃し始めます。がん細胞だけを狙うので、正常細胞を傷つけることはありません。他のがん治療(手術、抗がん剤治療、放射線治療 、緩和医療、など)との併用が可能です。

当クリニックの樹状細胞ワクチン療法は独ミルテニーバイオテク社製MACS® GMP PepTivator® WT1およびNY-ESO-1を使用しています。

<樹状細胞ワクチン療法のしくみ>

vaccine08a がん細胞は目印を持っている

vaccine08-2a 樹状細胞にがんの目印を覚えさせる

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がんの目印を覚えさせた樹状細胞を体内に戻すことで、樹状細胞がリンパ球にがんの目印を教え、そのリンパ球が目印をもとにがん細胞に攻撃を仕掛ける

樹状細胞ワクチン療法の特徴

●がんの目印を覚えさせるため、正常細胞を傷つけることなく、がん細胞だけを攻撃することができます。

●がんの記憶が体の中に留まるため、がん細胞を攻撃する免疫力を維持することができます。

●患者さま自身の樹状細胞を使用するため、副作用はほとんどありません。

●転移しているがんや再発予防にも効果が期待できます。

樹状細胞の働き

樹状細胞は白血球の一種であり、体中に存在します。その名が示す通り、樹木の枝のような多数の突起を持つ細胞です。樹状細胞は、体内に侵入してきたウイルスに感染した細胞、及び、がん細胞などを認識しそれらを有害なモノとして捕まえます(捕食)。そして、主にリンパ節において、それらの特徴をリンパ球に情報として伝えます。その情報を受け取ったリンパ球が活性化、増殖し、それら有害なモノだけを狙って攻撃を仕掛けるのです。

樹状細胞ワクチン療法の進め方

(1)アフェレーシス(成分採血)

成分採血

約3時間掛けて、樹状細胞の元となる細胞(単球)を採り出すための採血を行います。アフェレーシス中は、医師または看護師が傍におりますので、ご安心ください。

※当日の流れや注意事項については、前日のオリエンテーションで詳しくご説明します。

※アフェレーシス(成分採血)は、1日におひとりさまのみとなります。ご家族の方は待合スペースを備えてありますので、ゆったりと寛いだ環境で受けていただけます。

こちらも合わせてご覧ください。 なぜアフェレーシス(成分採血)が必要か

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(2)培養

培養
採り出された単球から培養された樹状細胞には厳重な品質検査が行われます。

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(3)樹状細胞ワクチンの投与

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アフェレーシスより2週間で、ワクチンの投与が可能となります。ワクチンは皮内、皮下注射にて1~2週間に1回、投与します。問診、ワクチン投与などに掛かる時間は1回30分程度です。


 
体表に露出したがんを始め、口腔、食道、胃内等、内視鏡を使用してワクチンを直接投与できる場合は、樹状細胞の直接注入治療を行います。
なお、直接注入治療は当クリニックではなく、提携の医療機関にて行います。


 

樹状細胞ワクチン療法の治療期間について

治療開始より3か月前後を目途に治療内容について再度検討します。