子宮頸がん

子宮頸がんとは?

子宮がんには、子宮入口付近の子宮頸部にできる子宮頸がんと、子宮の奥の子宮体部にできる子宮体がんがあります。子宮体がんになりやすい年齢としては一般的には40歳以降が多いのですが、子宮頸がんについては近年、若年層である20歳~30歳代の女性での発症が増加しています。

種類

子宮頸がんの場合は大きく2種類に分類されます。
子宮頸部の表面を覆う「扁平上皮細胞」からなる「扁平上皮がん」と、粘液を分泌する「腺細胞」からなる「腺がん」です。
腺がんは、扁平上皮がんと比べて子宮頸がん検診で発見されにくく、治療も難しいといわれています。
子宮頸がんの多くは扁平上皮がんと言われています。

症状

初期には自覚症状がない場合が多く、次第に月経が不順になったり、おりものが増えたり、性交時に出血しやすくなります。さらに進行すると、下腹部の痛みや貧血といった症状が出てきます。

原因

子宮頸がんの原因については、ヒトパピローマウイルスへの感染が主な原因であることが分かっています。このヒトパピローマウイルスはほとんどの場合、性交によって感染します。

生存率

術後の5年生存率はステージⅠ期で87%、ステージⅡ期は74%、ステージⅢ期では58%、ステージⅣ期が36%です。(1993~2002)。

再発転移

子宮頸がんが転移しやすい部位は腟や周りの臓器(膀胱、尿管、直腸など)、リンパ節などが挙げられます。

治療

治療は主に外科手術が行われ、がん細胞に侵されている子宮を全摘出して、その後に放射線治療や抗がん剤治療を行うことが一般的です。年齢や妊娠の希望、がんの進行具合などを総合的に判断して、可能であれば子宮の機能を温存しながら治療する方法がとられることがあります。

免疫治療のクリニックを受診される子宮頸がん患者さまは、その殆どがステージⅣまで進行しており、従って、既に抗がん剤を投与されている場合が多く、骨髄で生産される免疫細胞の数、活性度の低下が懸念されます。その場合、体内の免疫細胞の増殖、活性化を期待する樹状細胞ワクチン療法ではなく、まずは体外で細胞を増殖、活性化させる、活性化Tリンパ球療法、もしくはNK細胞療法を優先させ、病態が改善するのを見計らってから、WT-1ペプチベータなどのがん抗原を用いる樹状細胞ワクチン療法を行う場合が選択肢となります。この場合、抗がん剤治療との併用が可能となるよう、慎重に治療スケジュールを組み立てています。