平滑筋肉腫

平滑筋肉腫とは?

平滑筋肉腫は内臓、血管などの組織にできる悪性の軟部組織腫瘍の一種です。遠隔転移は稀ですが、後腹膜(こうふくまく)や腸間膜(ちょうかんまく)などに、幼児から成人まで幅広く発症します。50代以降になると増加傾向にあります。日本人の罹患者は非常に少なく、ごくまれな病気といえます。

初期症状には筋肉のしこりや腫れがありますが、痛みを伴いません。腫瘍が大きくなるにつれ、周囲の組織が圧迫されて関節が曲がらなくなったり、痛みを伴ったりすることがあります。

症状

初期症状には筋肉のしこりや腫れがありますが、痛みは伴いません。腫瘍が大きくなるにつれ、周囲の組織を圧迫し始めます。すると、手足の関節が曲がらなくなったり、座ることができなくなったり、あるいは痛みを伴うようになります。皮膚の変色や潰瘍になることもあります。治療が難しい病気ゆえに、早期発見・早期治療が重要といえます。

原因

はっきりとした原因は解明されていませんが、遺伝子的素因が考えられています

生存率

術後の5年生存率は33%です

参考)
国立がんセンター中央病院

再発転移

平滑筋肉腫はリンパ行性転移を起こすことは少なく、血管を伝わって血行性に転移を起こします。このため、血液の集まる肺や肝臓に転移を起こすことが多いです。

治療

平滑筋肉腫は、抗がん剤治療や放射線治療が効きにくく、外科手術が第一の治療法となります。外科手術では、転移を防ぐために周囲の正常組織とともに腫瘍を切除します。現在は手足の機能を残す患肢温存術が主流ですが、腫瘍が大きく血管や神経まで広がり転移の可能性があるときは切断となります。またリンパ節も一緒に切除します。